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6、身分。


身分とは「生まれつき」のことなのであって、先祖代々の昔からそうなのであって、自分ではどうにもならない自然が定めたものなのであって、そうである以上、それは誰にも逆らえない、どうにもならないことのように思えてくるのである。

また、まわりからも、そのように思わなければならないものとされているのである。また、そのように教えられてもきたのである。そしてこれが、このシステムの要(かなめ)になっているのである。そう思い、それを信じるということが、このシステムのもっとも基本的な前提になっているのである。

この「信じる」ということこそが、何よりも大切な前提になっているのである。すなわち、その理由や意味などと言ったものは、どうでもよいことなのであって、何の関係もないことなのである。

要するに、自分たちが預かり知らない自然が決めたことなのだから、それに逆らってはならないということなのである。これがタブーであり、戒(いまし)めであり、日常の常識の世界なのである。

戻る。                  続く。

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