index< 日誌 < aa暗示< 19-95「外の世界」p4 |
しかし、それでもこの限界が見えるというのであれば、そうした人間は、この境界の外に生きている、別世界の住人だということである。少なくとも、精神の世界ではそうなのである。 現実の世界を生きていながら、頭の中は別の世界を生きているのである。そうした、わけの分からない正体不明の、わざわいのタネでしかない、そうした人間のことである。 しかし、このような異人こそが新しい未知の、自らの存在の領域を獲得して行くことになる。そうするしかないのである。他に生きて行く方法がないのである。現実の世界に彼の居場所というのがないのである。そうである以上、それは自分で見つけなければならないのである。 居場所のない世界を、彼は生きて行かなければならず、従って彼は止むを得ず、実に致し方なく、どうにもならずに、どうしようもなく、そうした方向を取ることになるのである。それしかなく、そうやって生きて行くしかなかったのである。 |
index < 日誌 index< 日誌 < aa暗示< 19-95「外の世界」p4
l