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9、曖昧な自己意識。


自分の中に自分が見つからない以上、それは、他人との間の上下の関係の中で求めるしかないのである。自分と他人とが別人である以上、それは自分と他人との間の関係の中に見つけるしかなく、そして自分の中に自分が存在しない以上、それは他人との間の上下の関係の中に求めるしかないのである。

自分で、自分の精神の自由を喪失して行くのである。自己意識がないというのは、このことなのである。しかしまた、そうやって自分自身をコントロールしているのである。

そうやって自分を律していて、そうして律することが出来るようになるのである。自己意識がない以上、そうやって自分を律して行くしかないのである。そうするしかないのである。

これが上下の関係なのであって、そしてまたその中でしか、自分を見つけることが出来なくなっているのである。いつまでたっても、どこまで行っても、自分を見つけることが出来ない、そうした世界の住人なのである。



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