index< 日誌 < s設定 < 21-98「きっかけ1」p5 |
条件というのは、利用できる、または制約される現実の素材や材料のことであって、自分が利用できる自分の身体的特徴もそうであるし、自分が生きている世界の地理的・地形的条件もそうである。さらに歴史的・文化的に形成されてきた習慣や常識などもそうである。 要は、そのような制約された条件の中でのみ、なにごともなされるということである。これは人間が生きて行くための物的・精神的条件なのである。言い換えれば、その範囲の中でしか何も出来ないし、それしかできないし、またそうした出発点と方向性しか持ち得ないということである。 すなわち、この世に生まれた時点で、すでに条件づけられ、制約され、方向づけられているのである。人間は――もちろん、他のすべての生き物がそうなのであるが――、そうした枠の中でのみ機能し得るし、生き続けることができるのである。 |
index< 日誌 < s設定 < 21-98「きっかけ1」p5