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4、変異。


このように始めは同じであった種が、非常に長い歴史的経過の中で、まったく別の種になっているのである。従ってそれを、非常に短い期間に区切ってみるか、長い期間に区切って見るかによって、その見え方が全く違ってくるのである。

当初たんなる些細な変化に過ぎなかったものが、それでもそれを非常に長い歴史的期間に渡って見ると、いつしかその変化が固定してしまった、全く別の種に見えるということである。要するに、同じものを瞬間だけを見るか、長い歴史的な期間で見るかによって、まったく別のものに見えてくるということなのである。

時間というのが、現実を見る人間の感覚を狂わせてしまうのである。それは時間がもたらした偶然と錯覚の世界なのである。短い期間で見ると変化、それを長い期間で見ると変異、そしてこれに主観の願望が入ると「進化」となる。そして種の発生となる。



戻る。                     続く。


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