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2、分相応。


しかし、この現実から離れたところにいる人間とは、いったいだれのことなのだろうか。これは自分の立場と、そして生まれながらの自分の気質がそうさせているのである。

あるいは自分の見える表面上の体裁や、それを連想させる出自といったものが、まわりの人間をしてそのように思わせているのである。そうであるはずだし、そうでなければならないと。

このようにして、自分が公(おおやけ)に認められた自意識といったものが与えられ、そしてそれに見合う社会的地位や境遇といったものが押し付けられるのである。

分相応ということである。暗黙の内に上下の関係を持ち込み、それに従わせようとするのである。そうすることによってのみ、みんなという仲間のなかに入れてもらえるのである。現実世界の一員として認めてもらえるのである。


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