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6、組立て。


音というのは、自分の耳の中で聞こえて来るものであって、その相手との直接接触が不要で、それなしに考えを明瞭に組立てることができるのである。

だからまた感覚というのが現実に惑わされたり、それに従う必要がないのである。またそれに従うことが出来ずに、自分の頭の中だけで判断しなければならないのである。

そうした意味で聴覚というのは、身体の直接の感覚器官であるにもかかわらず、そこから感覚の「音」だけが分離して、現実とは隔離された音の世界の中で、思考や意識やイメージといったものが、音のカタチとしての言語として意識されたのではないだろうか。


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