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2、ピラミッド。


それでも確かに底辺は蔑まされる。けれどもそれが、それほどストレスにならずに全体として平穏で居られるのは、この底辺というのが、よりもっと下の卑しい集団の存在を前提にしていて、それを「踏み台」にして成り立っているからである。

そしてこれがカーストとしてのピラミッドの正体であり、そしてその仕組みなのである。そしてピラミッドがピラミッドである根拠は、このようなピラミッドの外の、より卑しい人間の存在があるからである。それを認め、必要とし、そしてそれを前提にしているからである。

だからまた、このような世界の中で自分が生きて行くためには、このような誰からも疎外された「やっかい者」、村八分の人間、ヨソ者が、どうしても必要なのである。こういう仲間外れの人間がいて始めて、自分たちが仲間であり得るし、自分たちというのが標準で普通の一般的な人間であるように思わせてくれるのである。

つまり、そうしてこそ自分は主流派であり、大多数の中の一員であり続けることが出来るのである。自分の居場所と立場というのが保証されるのである。みんなと同じように安全で安心に生き続けることが許されるのである。


戻る。                     続く。


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