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5、正義。


正義とは、「自分たち」という自意識のことである。言い換えると、自意識というのが、いまだ「自分たち」という囲いの中から自律できないでいる、ということなのである。

これは、自分と自分たちが信じる信仰のことであって、そうである以上、法律もその執行も、この正義に従って解釈され実行されるのである。要するに、この自分たちという「村の意識」から抜け出ることがないのである。

そしてこの正義とは、自分たちという最大多数派の常識のことであり、その秩序と序列と人間関係のことなのである。そしてこれを守るということが、法律を執行する者にとっての、何よりも大切で重大な関心事になっているのである。法的な理由などどうでもよいことなのである。

このような自分たちの常識に適うものであるかどうかだけが、関心事なのである。そしてそれを守るということが、自分たちの最大の使命であり、信念になっているのである。そしてこれが、そこで生きる者にとっての正義なのである。


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