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7、封建的。


たとえば、人里離れて完全に孤立した、少数の人間だけで住む村の生活がそうである。ヨソ者が入り込む余地などないのである。運悪く閉じた世界に生きる古民家に引っ越した時がそうである。

村の者とヨソ者を線引きして、ヨソ者を100%従わせて奴隷化しようとするのである。これは100年前の日本の家族関係や、嫁姑の絶対的な上下関係もまたそうであった。

当事者にして見れば、他に生きてゆく方法がなかったのである。訴える場所も、聞いてくれる人もいない。まわりの者みんなが団結して「自分たち」に従わせようとするのである。すなわち、近代化はこのような前近代的な人間関係を破壊してきたのである。

だからまた、女性に教育をさせたがらなかったし、自分の子供たちを家の中の上下の関係の中に閉じ込めてきたのである。そしてこのような人間の自意識は、どうしても身分的な上下の関係だけが絶対視される封建的な自意識が根強く残り続けたのである。


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