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3、食いつぶし。


時代という会社と世の中が、それを求めたのである。会社人間がそうであり、学校やマスコミから教えられてきた人生のモデルがそうだったのである。そうして深刻に自分に悩むことになる。しかし、たいていの場合、もはやどうにもならないのである。

これまで通りに生きて行くしかないのである。もはや生き方を変えられるような年齢ではないのである。そんな気力も体力も残されておらず、残された自分の人生を、どうやって食いつぶして行くかということだけが、ただ一つの関心事なのである。

「実年」などというのは、体裁のよい偽善なのであって、要するに生きる意欲も体力も喪失した「老人」なのである。何よりも、生きる目的と理由を見失っている、またそんなことはどうでもよく、どうやって残り少ない人生を楽しく終わらせるかだけが問題なのである。だから、それをまわりから見ると、ただ厄介と災いのタネでしかない人間なのである。


戻る。                     続く。


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