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5、立場。


それは、たとえば中世東アジアにおいては、領主に対する絶対的な主従の関係として現れるが、それは同時にそれを補完し延長する関係として、親兄弟、男女、上司部下、同僚や近所の人間に対する関係としても現れる。

それは現在の今日においても、親子、師弟などの様々な人間関係に広範かつ一般的に現れている。長子相続の慣習がそうであり、固定した絶対的な男尊女卑思想がそうであり、嫁と嫁ぎ先の一族との関係がそうである。

もちろん、それは表面的にはなくなったとは言っても、やはり、思想的にも文化的にも慣行としても、作法としても大いに残っている。それは、たとえば嫁や姑が、そうしたそれぞれの立場を離れて生きて行けなく出来ている、という意味でそうなのである。

経済的にも社会的にもそうなのである。いまだ現在においてもなお、自分の立場というのを、実質的に自分で選んで決定することが出来ないという意味でそうなのである。


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