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10、存在の根拠。


それは、いまある政治体制や文化、言語、習慣やシステムについても、そのまま言えることであって、いまあるこれしかあり得なかったということを物語っているのである。そして、これだけが自分のあり得べきすがた、存在し得るただ一つのすがたカタチとなっているのである。

そして、これがその存在の原理であり、必然性なのである。それ以外のものに成り得ないという意味でそうなのである。なぜなら、それが現在も生きて営まれているという事実そのものが、それ以外のものがかつて消滅していったという証明になっているからである。 

だからまた、このような現実の必然性や方向性からいうと、見える現実の姿は無限の変化を見せていても、それらはすべて同じものであり、同一の根源から映し出されてきたものなのである。ただ、見る角度とそれを映し出す光源の、異なる色でもって見ている錯覚に過ぎないのである。


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