| index＜ 日誌 ＜ al境界＜ 22-61「暗示②」p12 |
| 現実のどこかに「裂け目」があって、そこから誰かがこちらをのぞき込んでいる。現実の世界のどこかに、見えない底なしの落とし穴のようなものがあって、そして現実が歪み、軋(きし)み、揺らぎながら裂けてゆく。めくれて、はがれて行く。 そうして無限の変化をくり返しながら、私たちを導き、いざない続けている。そうした裂け目といったもの、歪みや軋みといったものが、どこかでつながり合って、線や面となって拡がって行き、そして何かのまだら模様となって揺らいでいる。 そしてそれらが、だれかのシルエットや輪郭のすがたのようにも見えてくる。そう感じられもするし、思えてもくるし、そしてそうした自分に気づかされもする。そうなのだ。これは自分自身の精神の世界なのである。 自己の精神が、自分自身に問いかけ、訴え、反省し、現実の世界に現れ出ようとしているのである。 |
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