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7、自分はだれか。


歴史上、現れては消えて行った、数限りない様々な民族や文明といったものも、それは、そのようにしかなれなかったのであり、そうして、自分が自分であり続けたのである。

たとえ滅亡した文明であったとしてもそうなのである。そうやって自分を全(まっと)うし、自分を全うすることによって、自分が自分であり続けたのである。たとえ滅亡したとしても、それが偽りのない自分の姿だったのである。それはただ自分に忠実だったのである。

しかし、そうした文明といったものを民族や国家として区切って、限定して考えた場合、それはそうなるしかなかったのであり、それ以外の生き方というものが無かったのであり、そしてまた、そうした生き方こそが自分自身の原理なのであり、必然性だったのである。

私たちが自分の肉体で感じている、無意識の方向性といったものもまた、このような自己の必然性の原理に基づいているのである。そしてそれは自己も民族も文明もまた同じなのである。


戻る。                     続く。


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