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7、許されないこと。


それは、人間が生きている現実の世界なのである。見ても、聞いても、知ってもならない、そうしたことが多々あるのである。そして何よりも、本人がそれに気づいてはならないのである。気づくことによって、本人は、自分で自分を生きて行けなくしてしまうのである。

だからそれは、迷信や気の迷い、神経の障害として片づけられ、むしろ、そうしたことを感じるということ自体が、なにか神経や精神に異常があると見なされるのである。これは、その時代の環境が求めるものであって、だれもそれに逆らえないのである。

たとえそれが、不思議で不可解で理解に苦しむことであっても、それをクチにしてはならないのである。それは、その時代という現実の暗黙の合意事項なのである。


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