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5、型のパターン。


他の言い方をすれば、精神は無限であるにもかかわず、肉体でもってする表現方法には限りがあるからである。そしてまた、肉体のみならず、それを表現しようとする人間の思考の能力にも、経験にも、記憶にも限界があるからである。

従ってまた、多かれ少なかれ、そうした表情の動作といったものは、形式化し定形化された「型のパターン」として限定されざるを得ないのである。精神を現実のカタチあるものとして表現するというのは、こういうことなのである。

人間というのが、その歴史の上でカタチある現実の世界で生きている以上、そうならざるを得ないのである。歴史的にも地域的にも限定された存在である以上、そうならざるを得ないのである。制約され条件づけられるとともに、規定されてしまうのである。


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