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1、涙。



苦しみ嘆(なげ)くとき、腹を抱えて大笑いするとき、大きな「あくび」をするときも、あるいはまた、マブタにちょっと何かが当たるだけでも、涙が出てくる。涙は本来、心理的な情緒とは直接の関係がないのである。涙は、涙の都合で出てくるのである。

悲しみや笑いといった、正反対の感情の動きの場合にも涙は出て来るし、また、そうした感情の動きがないときにも涙は出てくる。涙は本来、感情や情緒とは直接の関係がないのである。涙と感情とは本来、別のものなのである。

しかし私たち人間は、この涙をもって情緒の目印にしていて、これを目に見える感情の基準にしている。たとえそれを意識していなくても、知らぬままに、気づかないままでそれを、悲しみや苦しみの目に見える証(あかし)にしている。これは、涙を流す本人もそうだし、それを見ている本人もまた、そのように見なしている。


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