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もちろん、上辺だけの偽装としての形式的な涙もある。涙を出しながら別のことを考えていたり、あるいは、それを意識して利用しようと、反対のことを考えながら泣いている場合もある。要は、涙と感情とは、必ずしも一致しないということである。 しかし、それが別のものであるとしても、私たちは「涙」なくして悲しみや苦しみについて納得しないのである。たしかに、意図せずに本人の肉体の中から自然にでてくる涙は、信じられやすいのである。本人も相手も納得しやすいのである。 少なくとも言葉や身振り素振りよりもそうである。それだけにいっそう信じやすいのである。あるいは当事者にしてみれば、それ以前に信じることが出来る、目に見えるカタチといったものが、どうしても必要だったのである。 それが現実に見えるという点で、涙を流しているというのが、やはり信用されやすいし、また、信用しなければならないことのように思えてくるのである。 |
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