index< 日誌 < au錯覚 < 22-91「精神のカタチ」p3


3、カタチ。



頭の中の観念の世界そのものが、すでに自分自身の経験とその記憶に条件づけられ、そこから規定された世界なのである。そしてそれは、自分自身の肉体のことであって、それが歴史的空間的に規定されてきた世界なのである。また、そうした条件の中でのみ成り立つ世界なのである。

精神は永遠で自由で限りないものであるにも拘(かかわ)らず、自分自身の肉体とその現実、それどころか空想の中においてさえも、それがカタチあるものとして表現される限り、限界づけられ、制約され、条件づけられているのである。

精神が無限であるにもかかわらず、人間の肉体には限界と制約が付きまとうのである。従って精神は、その限りある条件づけられた現実の世界で自分を現わし、表現してくるのである。自己の現実とは、このような自らの精神が現れでてきたカタチなのである。


戻る。                   履歴へ


index< 日誌 < au錯覚 < 22-91「精神のカタチ」p3