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9、対象。



「知りようがない」というのは、それが自分の中だけの閉じた世界だからである。そしてそれが現実との接点を欠いているからなのである。

「理由が分からない」というのは、それが閉じた、現実との接点が切断された自分だけの世界にあって、感情の対象というのを持たないからなのである。

感情の対象というのが、自分の外の現実世界にではなく、また、自分以外の他人にでもなく、自分自身そのものに向けられているからである。自分で自分に苦しみ悩んでいる。これでは解決方法などある訳がないのである。

自分の中だけの孤立した世界の中で、永遠に一人で苦しみ続けるのである。しかしまた、そうやって自分が自分であろうとしているのである。現実の世界でも、他人に対してでもなく、それらに左右されることのない本当の自分を見つけ、探り当てようとしているのである。そうやって、自分が自分と対話をしているのである。


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